3児ワーママ、地方移住する。

より楽しく生きるために、移住も含めて暮らし方を模索している3児ワーママの生きる知恵を発信。

【実録!家族移住】サラリーマン夫婦が福岡移住を決断した7つの理由

家族5人で、福岡に移住することに

東京で長らくワーママやってましたが、3人目の子供が生まれたあたりで限界を感じ、「もっと家族で楽しく暮らせる場所があるはず!」と、地方移住を検討してきました。

※詳しい経緯はこちら

家族で条件を洗い出したり、下見旅行に出かけたりしながら、最終的に移住先を「福岡」に決めました。

この記事では、なぜ福岡にしたのか、その理由をご紹介しようと思います。

 1,山や海まで15分でアクセスできる

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決め手1つ目は、子どもたちを自然の中で遊びこませたい、そして家族でも一緒に遊びたい!と考えたからです。
福岡は都市部から山や海などの自然が近く、場所にもよりますが、車で15分も走ればたいていのところには着いてしまいます。大きな運動公園もたくさんあるし、庭でBBQもできます。

東京ではこうはいきません。「広々とした自然の中で遊ぶ」ことが、とてつもなく難しいのです。

まず場所がない。

住宅街の小さな児童公園では、大声を出すのも憚られ、走り回ることもできない。

週末に自然に触れ合おうにも、車がないために移動に負担がかかる。

シェアカーで出発しても、渋滞に巻き込まれる。

やっとのことでたどり着いた山(例えば高尾山…)も、観光地と化して人混み。

キャンプをするにも半年前から予約が必要…。

自然の中で遊ぶことで、将来につながる力を身につけてほしい

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3人いる子どもたちには、幼少期・児童期に、たくさん遊んで、その中で五感をフルに使って過ごしてほしいと思っています。

その方が将来的に、「自分がやりがいを感じられることで価値を産み出していく(=稼ぐ)人間になれる」のではないか、と思っているからです。
AIの進化が進む中、子どもたちが大人になる頃、必要とされる人材、価値を生み出せる人材は、私たち(アラフォー)の常識とは変わってくるだろうな、と感じています。


教育改革実践家の藤原和博さんは、これからは、「『頭の回転の速さ』ではなく『頭の柔らかさ』が問われる」世界になると話されています。

21世紀に入ると、ガラリと社会の様子が変わった。象徴的なのが1997年の山一證券の破たんで、これまで絶対安泰とされてきた大企業さえも潰れる時代がやってきた。たった一つの正解なんてどこにもなく、答えを自分で作りださないといけない時代。「みんな一緒」の志向から、「一人ひとり違う」の志向へ。「頭の回転の速さ」ではなく「頭の柔らかさ」が問われる世界へ変わった。玩具に例えて言うなら、あらかじめ決められた絵柄と同じ絵柄を組み立てる「ジグソーパズル型」の能力から、見本がない中で自分がいいと思う形をクリエイトする「レゴブロック型」の能力が求められるようになったんです。

▼出典:

藤原和博 中学受験すると「稼ぐ人」になれるのか? | 特集/中学受験をしないという選択 | 日経DUAL

 
そんな社会の中で、子どもたちに身に着けてほしいのが、他者が持つ価値と価値をつなげて相乗効果を生む「情報編集力」です。

同時に、より重要度を増しているのが「つなげる力」です。自分の脳内の処理能力だけで正解を当てるのではなく、他者の脳とつながりながら、知恵や特技を出し合って、相乗効果を生むようなコミュニケーション能力。(中略)これからは、たくさんの情報の中から必要な要素をピックアップして、他者とつながりながら価値のある形に加工していく“情報編集型教育”が必須です。

▼出典:

藤原和博 中学受験すると「稼ぐ人」になれるのか? | 特集/中学受験をしないという選択 | 日経DUAL

 この情報編集力を鍛えるためにはどうするか、藤原さんは「10歳くらいまではとにかくとことん『遊ぶ』こと。しかも、できるだけ不自由な環境がいい」とおっしゃっています。

不自由な環境で知恵を出しながら遊ぶ、そのためには、あらかじめおもちゃや遊具が用意された場所ではなく、「自然の中で遊ぶこと」がうってつけだと考えています。

日常でも、広い広場で子ども同士遊ぶ。

週末は、少し足を伸ばして、海や山の自然の中で、「思い通りにいかなさ」を楽しむ。

そうやって楽しみながら、子どもたちには「お勉強」からは学べない、将来につながる力を身に着けていってほしいのです。

親目線で考えても、自然の中で子どもを遊ばせるのは、「大声を出させないように、走り回らせないように」と都会の中で気を張って過ごすよりも、とてもストレスフリーです。

純粋に自然に触れ合うのって心地よいですしね。

大人も子どもと一緒に、アウトドアな趣味にも挑戦したいと思っています。

2,全国5位の都会なのに、のびのび広い

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決め手2つ目、それは福岡の「都会っぷりの程よさ」です。

自然の中でたくさん遊ばせたい、それはもちろんですが、そうはいっても子どもに何かしら「興味の芽」が出てきたときに、それに答えてあげる環境はもっていたいと思っています。

例えば、図書館、科学館、水族館等々、一通りの施設は揃っててほしいところ。

福岡には2017年にリニューアルした水族館「マリンワールド海の中道」や「福岡市科学館」など、文化的なスポットは一通りあります。

そして、福岡自体がコンパクトシティであること、車を所有できることで、それらのスポットにもアクセスしやすいのも魅力。

東京では、子連れで電車に乗るハードルが高く、せっかく近所に美術館や博物館があっても、ほとんど行きませんでした。

また、こだわりセレクトの書店や雑貨店、おいしいベーカリーなども、必須ではないけれど、あったらかなり嬉しいスポット。

福岡はこの点も充実しており、楽しみです。

美味しいパンを買って、浜辺で子どもたちと食べる。平日の空き時間に、気の利いた書店に寄る。

ありきたりだけれど、楽しみなシーンです。

福岡はどのくらい都会なのか?人口と人口密度でチェック

施設だけではなく、多様な人がいることも魅力。

視野を広げて人生を充実させるためには、親子ともども、人との関わりは外せません。そして純粋に人が多いほうが、それだけ多様性も生まれてきます。

実際のところ、どのくらいの人が福岡で暮らしているのか、数字で見てみました。(データは2018年4月1日現在)

福岡市の人口は約157万人で、全国5位

人口の市区町村ランキングは以下のとおり。

福岡は157万人で全国5位の人の多さです。

ちなみに東京23区は特別区ごとの集計なので、10位以内には入ってきていません。

一番人口の多い世田谷区が14位です。

  • 1位 神奈川県横浜市 373万3234人
  • 2位 大阪府大阪市 271万3157人
  • 3位 愛知県名古屋市 231万4125人
  • 4位 北海道札幌市 196万3309人
  • 5位 福岡県福岡市 156万7189人
  • 6位 兵庫県神戸市 153万2153人
  • 7位 神奈川川崎市 150万3690人
  • 8位 京都府京都市 147万2027人
  • 9位 埼玉県さいたま市 128万6082人
  • 10位 広島県広島市 119万8555人


また、人口密度のランキングでは、福岡は約4,564人/k㎡で111位

26位の大阪、48位の横浜、69位の名古屋よりも人口密度は低く、1位の豊島区と比べると、約5分の1です。

  • 1位 東京都豊島区 22,887.24
  • 2位 東京都中野区 21,512.32
  • 3位 東京都荒川区 21,246.85
  • 4位 東京都文京区 20,054.83
  • 5位 東京都台東区 20,025.91
    (中略)
  • 26位 大阪府大阪市 12,047.23
    (中略)
  • 48位 神奈川県横浜市 8,531.94
    (中略)
  • 69位 愛知県名古屋市 7,088.76
    (中略)
  • 111位  福岡県福岡市 4,563.87
    (中略)
  • 245位  北海道札幌市 1,750.98

※単位(人/k㎡)

出典:【市区町村】人口・面積・人口密度ランキング


ある程度の人口は有しつつも、人口密度は低い。

数字だけでは判断しきれませんが、多様な人との出会いの可能性を持ちつつ、広々と暮らせそうな気がしています。

3,通勤時間が4割減

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移住の決め手、3つ目は、「通勤の負担が少ない」ことです。

サラリーマンであれば避けては通れない問題、通勤電車。

最近は職住近接といって、コンパクトな賃貸物件を会社の近くに借りるのが流行っているそうですが、家族が増えてくるとそうも言っていられない。

実際、都心のマンションで問題なく暮らせるのって、子ども1人の3人家族までじゃないでしょうか。

更に、転職や会社の移転によって、通勤先が変わる可能性もあるわけです。

ロジック上は、賃貸にしてその度に引っ越せばいいじゃん、となるのですが、実際暮らしていると、パートナーの通勤、子どもの転園・転校と、問題は山積みでなかなか動きづらかったりします。


福岡の場合は、主要企業のほとんどが博多か天神に集まっており、そこへ向かう交通網が発達しまくっているため、どこのエリアに住んでいても通勤時間はそれほどかかりません。

ファミリー向けの一戸建てに住んでいても、電車に乗ってしまえば会社まで15分、なんていうのはよく聞く話です。


実際はどうなのか、統計データによると、福岡県に住む人の平均通勤時間は片道26.5分だそう。

ちなみに神奈川県48分、東京都43.8分なので、平均値で見ても福岡は東京の6割程度の通勤時間です。

出典:【市区町村】人口・面積・人口密度ランキング


「通勤時間が長いと、それだけ幸福度が低くなる」というアメリカの研究結果もあります。

特にサラリーマン夫婦の場合、通勤時間が長い=貴重な子どもとの時間が減る、ということも意味します。

仮に保育園や学校が楽しくても、保育時間が長くなれば、子どもも疲れてきます。

福岡であれば、現実的な家賃と居住面積を確保しつつ、通勤時間を短縮できる。

これはかなり大きな魅力でした。

4,半分の家賃で1.5倍の広さの家に住める

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移住の決め手4つ目は、「住まいの選択肢が広い」ことです。

東京は人口密度が高く、文字通り、住む場所は奪い合いでした。

家賃・広さ・周辺環境・通勤のどれか2つくらいを犠牲にしないと住まいが選べず、いつも「何を犠牲にするか」「条件考えるとこんなもんか」の妥協の連続でした。

福岡は住居費が東京よりもぐっと安いです。私も最初、試しにSUUMOで検索して驚きました。

我が家の場合、東京の住まいは80㎡で家賃19万の3LDK。

福岡での居住予定地は、120㎡10万円です。

どちらも駅徒歩5分。

家賃が抑えられることで、とことん「自分の理想とするライフスタイル」と向き合って、住居を選ぶことができます。

「遊びやすく通勤しやすい、都心チャリ圏のマンション」か、「海や山へ出やすい、やや郊外のエリアで一戸建てを建てるか…」。

もっともっと家賃を抑えて、投資など別の予算に使う、あるいは労働時間を減らす、という選択もできると思います。

働くために、通勤しやすい場所に住み、そのための高い家賃を賄うために、また働かなくてはならない。

更に、その高い家賃に見合うだけの価値がある家なのかというと、自然環境とはほど遠く、居住面積も5人家族には足りない。

持ち物を減らし、なんとか楽しく暮らせてはいたけれど、本当にこれが自分の望んだライフスタイルなのかと問われると、素直にYESといえない。

家探しは自分探し。

東京を離れることで、本当に自分の望むライフスタイルは何かを考えるきっかけにもなりました。

移住をぼんやりと考えている方は、ぜひ一度、実際に移住予定地の物件を検索してみることをオススメします。その何気ない一歩が、人生を変えるチャンスだったりします。私はよくSUUMOをスマホで見て、良さそうな場所を見つけては、夫に共有していました。

5,仕事の選択肢が多い

恐らく、サラリーマンで移住しようとしたとき、一番の壁となってくるのが仕事。

現在働いている企業で「転勤」という手が使えるのであればそれが一番なのですが、そうでない場合、「転職」が視野に入ってきます。

私たちの場合も、まず福岡を移住先に定めた最初の理由が、「東京での仕事と同業での転職先がある」からでした。

そこから色々調べると、得意分野を生かして開業される方、就農される方、東京での仕事をリモートで行う方、それらを組み合わせて行う方など、多くの働き方があることがわかりました。

大企業の支社など、東京の仕事を引き続きやるもよし、土地代など固定費を抑えながら開業するもよし、就農の可能性を探るのもよし。

都会と自然とがコンパクトにまとまっている福岡だからこそ、仕事の選択肢が多く、それも移住への後押しとなりました。

6,美味しく健康によい食べ物が、安価で手に入る

移住の決め手、6つ目は「健康によい食べ物が、安価で手に入る」ことです。

福岡は食べ物が美味しい、ということで有名です。モツ鍋、豚骨ラーメン等々。

もちろんそれらも魅力ですが、移住の決め手となったのは、生鮮食品のコスパの高さ。

具体的に言うと、「美味しく健康によい魚と野菜が、安価で手に入ること」です。


医師でありUCLA助教授である津川友介さんのこちらの記事(「科学的根拠に基づく本当に体によい食事」とは? – 医療政策学×医療経済学)によると、魚は「健康に良いということが複数の研究で明らかになっている」食物であり、一方で、豚肉・牛肉は「健康に悪いということが複数の研究で明らかになっている」食べ物だそう。

我が家は今まで、豚肉の登場が多く、魚が食卓に登るのは週に2回ほどでした。

しかし上記の記事を読んでから、もっと魚を積極的に食べるようにしています。

でも…東京は魚が高い。

更に、正直あまり美味しくないのです。

海に囲まれた福岡は魚介類が美味しく、また安価で手に入ります。
野菜・果物も同様に、健康に良いことが明らかになっている食物。

九州は糸島野菜をはじめ、美味しい野菜や果物の宝庫です。また、農地が身近にあるため、新鮮な野菜や果物が手に入りやすく、家庭菜園も始めやすい。
「美味しく安全な魚と野菜が、安価で手に入ること」はただ単にQOLを上げるだけではなく、将来の健康への投資でもあるため、移住決断の大きな理由の一つです。

7,都心から空港までたった5分と、県外へのアクセスがよい

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移住の決め手、最後は、県外へのアクセスの良さです。

特に東京へはLCCが豊富に飛んでおり、日によっては5,000円程度のフライトもあります。

仕事はもちろん、親兄弟や友人が住んでいることもあり、東京に行く機会は今後もかなりあるため、アクセスの良さは必須条件でした。

時間はかかりますが、いざとなったら新幹線でつながっているというのも、安心材料の一つです。

飛行機はどうしても、予約が必要となるので。


また、福岡空港は街の中心地に近く、JRの中心である博多駅まで5分で着くという、全国でも稀な空港です。

自宅-空港間の時間も少なくなるため、総移動時間も少なくなり、県外へのアクセスの良さの一因となっています。

これらは少なくとも「確実に得られるメリット」である

私たちが福岡への移住を決断した理由、一つ一つのインパクトはそれほど大きくないかもしれません。

しかし、これら7つの理由はそれぞれがファクトに基づく「確実に得られるメリット」です。

7つのメリットがすべて実現すれば、今までの人生よりも遥かに生きやすく、楽しいものになると考えています。

余力も生まれ、新しいことにも挑戦できそう。

 

色々書き連ねてきましたが、結局は「妥協で渋々ではなく、自分が選び、住みたいと考えた場所に住みたい」ということが大きいです。

インフラが整って、チャレンジできる環境が整っているのに、それをやらないのは後々後悔する!と思ったのです。

地方移住、もし気になっている方がいれば、まずちょっとでも行動してみることをおすすめします。